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軌跡

KAMIKAZELOGO

2016年 11月
株式会社TRIPLE-1設立

一流のチームが誕生する。
「メイドインジャパン」を必要とする世界のために。

「従来製品は、不良が多すぎる。メイドインジャパンの新たなマイニングマシンを開発してくれないか?」

――― 中国製マシンが、世界中のシェアを占める中、ある依頼をきっかけに、このプロジェクトは始まった。
日本の半導体開発を常にリードしてきた一流の開発技術者たちが集結し、ひとつの開発チームが生まれた。当時、最先端マイニングマシンの搭載チップは 16 nm プロセス。「メイドインジャパン」による新たな時代を築くためには、それよりも遥かに高性能なチップの開発が必須だった。
一人の開発技術者が言い放った。

「世界一のモノづくりは、16 でも 12 でもない。どうせやるなら、7 nm じゃないと意味がない!」

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2017年 2月
開発仕様検討開始

“ 7 nm は時期尚早” ――― 
誰もがその実現性を疑うなか、世界一のモノづくりが始まった。

開発仕様検討が開始された 2017年 2月。当時、世界中のどこにも「7nm」は、存在しなかった。7nm プロセス採用チップは、チップ製造会社において研究開発段階であり、世界有数のメーカーにおいても、製品化への確証がないという状況だった。周囲からは悲観的な声が聞こえてきた。

「7nm は時期尚早だ。」

開発の実現性を疑う声を横目に、開発技術者たちは「7nm」のみに狙いを定め、開発着手を決定した。この日から、暗中模索、世界一のモノづくりが始まった。

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正解なき、開発の日々。
世の中にないものをつくる、ということ。

世界最先端のチップ開発は、当然容易ではなかった。世界最大手のファウンドリである TSMC 社にもスタンダード・セル・ライブラリやプロセス評価値が存在しない中、7nm という未知への開発は進んでいった。まるで完成図のないプラモデルづくりのようだった。
何が正解で、何が不正解なのか。それすらも手探りの日々だった。それでも、チームの設計思想は、「パワーと電力効率が、マシンの価値を決める」と、統一されていた。

7nm プロセスに期待する「パワー」と「電力効率」が、開発における当然の最重要課題となった。

何十通りもの条件を組み合わせ、検証。
マイニング用途に最適な RTL 設計を模索。

TSMC 社の 7nm 基準電圧をベースに、様々な電圧や周波数条件による検証を重ねた。マイニング用途においては、「パワー」と「電力効率」のバランスが重要だ。F1 カーエンジンのような強靭パワーを搭載しても、消費されるエネルギーが大きすぎては、マイニング収益を高めることができないからだ。

私たちは、マイニング用途への理論値と実装想定値による RTL オプティマイゼーション(最適化)に、より多くの時間を費やした。当時、低電圧用ライブラリの信頼性が低かったこともあり、この工程もまた、自分たちで「正解を創り出す」時間となった。

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飛び交う様々な情報。
シャドウボクシングのような闘いが待っていた。

 

「世界一のモノづくり」を進める中、業界では机上の空論値だけが、報道により独り歩きしていた。その度に、目標となるスペック値の引き上げも行った。それでも開発技術者たちは、マスクセットやウェハー製作といった目の前の各工程と、一つひとつ真摯に向き合った。
開発技術者たちにとって、実態のない敵と闘い続ける「シャドウボクシング」のようだった。

しかし、確かな自信があった。
世界のどこにもないものを創っているという誇りと共に。

2018年 1月

TSMC 社でのリスク量産受付開始

2018年 2月
設計完了(テープアウト)

開発仕様検討から 1 年。
ついに、姿を現した「KAMIKAZE」

2018年 2月、ついに 7nm プロセス採用チップの設計が完了(テープアウト)。
製品名は、「KAMIKAZE」
―― 開発当初から貫いてきた揺るがぬ「覚悟」と「挑戦」、そして「日本のモノづくりで、世界に新たな風を吹かそう」という想いが込められた。

もう一度、日本のモノづくりで世界を圧巻させたい。

そんな想いを抱きながら、開発プロジェクトは、製品化へと移行したのだ。

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2018年 5 月
初期量産 ウェハー投入

ライバルは、世界の超大手企業。
世界レベルでの生産ラインの確保レース。

当時 TSMC 社において、7nm プロセス採用チップの生産は、発注者側の責任による量産(リスク量産)のみが受け付けられていた。そのような中、私たちは当初から変わらぬ陣営で、そのリスク量産に挑んだ。肩を並べるのは、世界中の誰もが知る、超大物たち。
それでも、私たちには強い信念があった。

―――「KAMIKAZEプロジェクトを、世界中に伝えたい。」

大きな覚悟のもと、2018年 5月、初期量産分の発注(ウェハー投入)を完了させた。

2018年 8 月
サンプル製品 完成

設計完了から、約 5ヵ月。
スケジュール通り、サンプル製品が完成。

テープアウトから約 5ヵ月、当初の開発スケジュール通り、シリコンウェハー、サンプルチップ、サンプルボード、そしてサンプルユニットの納品を迎えた。ついに、「KAMIKAZE」の最初の姿が、現れた瞬間だった。
「KAMIKAZE」は、7nm プロセスという最先端技術を採用している為、既存プロセス製品に比べて、設計完了から製品化までに、より多くの時間を要した。

「早くその姿を見たい!」
誰よりも私たちが、その瞬間を待ち望んでいた。

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SAMPLE WAFER

SAMPLE WAFER

SAMPLE CHIP

SAMPLE CHIP

SAMPLE BOARD

SAMPLE BOARD

SAMPLE UNIT

SAMPLE UNIT

2018年 9 月
機能・性能 検証完了 量産型マシン公開

開発技術者たちが胸を撫でおろす。
  ついに「KAMIKAZE」が動き始める。

私たちのもとに届いたサンプル機器は、直ちに検証工程へと移行した。チップの正常動作を確認し、性能、そして、システムの正常稼動までに、ひと月を要した。

果たして、世界最先端の「7nm」は、設計通り稼働するのか。

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――― 不安と期待が入り混じる中、当初からの設計通り、
「KAMIKAZE」は、確かに動き始めた。

歓喜!

幾度もの困難に立ち向かってきた。幾通りもの正解を探し求めてきた。
私たちの目指した「世界一のモノづくり」は、「世界を変えていく」スタートとなった。

無謀と言われた挑戦が、
今日からの当たり前になる。

Today is created by the challenge toward “impossible”.